高額免責保険(HDP)と
伝統的健康保険の比較検討
カリフォルニア州においてHMOが既存の伝統的健康保険形態を駆除したように、高額免責保険(HDP)とその預金口座(HSA)は従来の健康保険をなくすことになるでしょう。
例えばもし市場に下記の二つのプランしか存在しない場合を考えてみましょう。
① 低額免責プランと20ドルのCopay、25ドルのブランド薬処方箋カード、3千ドルの年間負担最高額といったプラン(一般的)
② HDHPプラン、2,400ドルの免責で3千ドルの年間最高負担額、Copayと処方薬カード無しといったプラン
もし20代の若者が労働市場にたった今入ってきたとします。そして雇用主が①の100%の保険費用を負担するか、②の費用プラス余剰資金を預金にするかといった選択がある場合、どちらのプランが長期的に見て経済的に有利でしょうか?
もしその従業員が健康で年間$500以下しか医療費用を使わなければ②のプランと医療預金(HSAを$1800貯めたとする)を選んだほうが得になります。つまり $1800-$500=$1300預金が残ることになります。そして30%の人口は殆ど医療保険を使いませんから、$1800殆ど残ることになります。もし大きなクレイムがあったとしても、年間最高負担額の$3000はどちらのプラントも一緒なので差はありませんが、②のプランでは$1200だけが自己負担となり、残り$1800は医療預金から支払うことが出来ます。例え月々$80(年間$960)の常備薬が必要な人でも②のプランのほうが得になります。①プランですと処方薬カードのCopay$25X12=$300は自己負担となりますし免責にはカウントしてくれません。②のプランではまだ$840残金があります。($1200-$960=$840)以上のように大抵の場合は②のプランが優れています。それが得に若くて今労働市場に入ってきたばかりであれば間違いありません。
更に長期的展望に立てば②のプランが優れていることに間違いはありません。もしこの従業員が毎年$1000の医療費用を使って$500の貯金をしていくとすると、25歳から65歳で退職するまでの間に、$20,000の貯金があることとなり、それを保守的な投資で運用したとしても退職時には$60,000ほどの金額となります。 賢く自己責任のある若者は皆このプランを選ぶこととなるので、HMOやPPOは病弱者と年寄りの保険利用過多で保険料が高騰し撤廃されることでしょう。
31州に代理店がある影響でHSAについての問い合わせは頻繁にあるけれども、評判どおりというわけではありません。
まず第一に一番のセールスポイントである保険料が普通のプランと大差が無いことがあげられます。個人年間最高負担額を同様なリミットにしてみると普通のプランと保険料が代わらなくなってしまう。さらにプランを優位に使うための貯金額をプラスすると月々の個人負担はより高いものになってしまいます。
たとえば$3,600免責のHSAプランの保険料は$350。この$3,600免責のプランをただの高額免責プランではなく有利に働かせる為には、医療費用貯金口座が必要になります。この費用が月々$300、あわせて$650の費用が必要となります。弊社の取引保険会社での普通の医療費用保険は$330で傷害保険、定額診察料と投薬カード付です。勿論これらの費用はHSAでは自己払いということになりますから、この費用を貯金口座から支払うわけです。
2番目に2003年1月からの弊社の記録によると、このプランにサインアップした50%以上の契約者が元の普通のプランに戻っていることが判りました。そして残りの50%だけがこの預金口座を開設しており、後の半分はただ免責額が多いだけの保険に入っていることが判りました。
一つの例を差し上げましょう。弊社の一人のエージェントがこのHSAプランを購入しました。しかし預金口座を開設するだけの費用が無かった為そのままにしておきました。数ヵ月後、芝刈りをしていて足の骨を骨折した彼は$5,000の医療費用が掛かってしまいました。もしも普通の保険に入っていれば個人負担は$1500くらいで済んでいたはずです。そして医療貯金に入っていないので支払額の税金控除も出来ませんでした。踏んだり蹴ったりとはこのことです。
上記の賛成・反対意見でも分かるとおり一つのプランで総てのニーズを満たすことは出来ません。各自の置かれた情況と資金力を考慮してプランを選ばなくてはいけません。「備えあれば憂いなし」プラン設定の御手伝いを致します。是非ご相談ください。