スピード違反は大きな損害に

このところ、スピード違反に対する罰金が厳しくなってきています。例えば、テキサス州では30ドル増額、カリフォルニア州では違反の内容によって7ドル~20ドル増額、イリノイ州では軽いスピード違反にも4ドル増額としています。たかだか数ドルぐらいたいしたことは無いと思われるでしょうが、たった1度のスピード違反が後に大きな損害をもたらすことになるのです。ある調査ではカリフォルニア州のドライバーで過去3年間に1度スピード違反をした人は、違反無しのドライバーに比べて 50%以上の衝突事故率という結果が出ています。また、走行中の違反に対し有罪判決がなされると次月度に35%致死的な衝突事故が減少するという結果も出ています。このことからも、警察のスピード違反に対する取り締まりは厳しくなり、さらに、保険会社はスピード違反をしたドライバーは衝突事故予備軍として保険料を値上げすることになり、大きな損害をもたらすというわけです。

では、どうすればこのような損害から身を守ることができるのでしょうか?

運転歴記録(Driving Record)の入手
最寄の陸運局(Department of Motor Vehicle)で運転歴記録(Driving Record)を入手します。手数料は5ドル。つまり、後何回違反したら有罪になり聴聞会に呼ばれてしまうかを把握しておくことです。

「一文惜しんで百文失う」ことにならないこと
警察はヘッドライトが壊れている、テールライトをテープで固定している、ライセンスプレートが取れて無くなっているといった車に目をつけます。3ドル程度でライセンスプレートのネジを交換したりできるのですから警察に目をつけられ違反で捕まり、罰金で数百ドル失わないことです。

いかにも「捕まえて」といった車を選ばないこと
赤いスポーツカーは警察の目を避けることができません。コルベットを選ぶよりもカムリを選ぶほうがショールームでの節約を上回ることになるかもしれません。

運転中は周囲をよく観察すること
運転中はリアミラーで後方確認はもちろんのこと前方にパトカーが潜んでいないか、また、プロのドライバーであるトラックの運転手がどのポイントでスピードを下げているか観察することです。

それにもかかわらず不幸にも警察に止められたらどうしたらいいのでしょうか?

礼儀正しく接すること
イライラした態度を見せるのは禁物。そんなことをすれば「満額」の罰金になるかもしれないし場合によっては「大口をたたいた」という一筆付きの出廷通告を出されるかもしれません。

罪を認めないこと
警察は必ず「どうして止められたかわかりますか?」と質問してきます。後でであなたが違反チケットに異議を申し出た時、少しでも非を認めたことが判明すれば、不利になる可能性があります。

家に帰ってすぐに罰金を払わないこと
単に罰金を払ってしまうと罪を認めたことになります。そんなことをしてしまうと保険料が急激に値上がりしてしまうのです。

どれぐらい値上がりするのか例を挙げてみましょう。

スピード違反を1回すると
基本保険料の約27%増-年間207ドル増。通常、違反記録は3年間適用されますから、3年間で621ドル増。

2回目になると
保険料40%増となり574ドルだった保険料は1071ドルに。優良ドライバー割引も無くなります。

3回目は
約63%増の1247ドル。3年に渡り2020ドル。

また、10代・若年ドライバーはさらに気をつけなくてはなりません。なぜなら、1回でもスピード違反をすると保険料が2倍、または3倍になるからです。このように、たった数十ドルの違反チケットが後に保険料の値上がりという形で大きく跳ね返ってくるのですから、たかがスピード違反、と軽く思わないほうが賢明です。

1度失敗しても幸運にも助かる方法がある!?

違反チケットを無視できたのは昔のこと
以前はNYで違反チケットをきられても New Jersey に住んでいる人はこれを無視することができましたが、現在は違反チケットを無視すると逮捕状が出たりします。この逮捕状は自分の住まいの警察署のコンピューターシステムに表示されますから、ごまかす事は無理でしょう。

各州のスペシャルプログラムを確認する
自分の州の陸運局または交通局で違反チケットを消す方法を聞いてみましょう。例えば、ロードアイランドでは過去3年間に何も違反がなければ軽い違反(20mile以下のスピード違反など)であれば見逃してもらうよう頼むことができます。南部のいくつかの州では、後6ヶ月間何も違反がなければ違反を据え置きにしてくれる場合もあります。

交通スクールに出席する
6~8時間の安全運転コースに出席すれば、州によって違いはありますが、軽いスピード違反ぐらいなら違反を消すことができます。しかし、罰金の支払い・安全運転コースの授業料・土曜日がぶれるということは避けることはできません。カリフォルニア州ではオンラインで安全運転コースの授業を受けることができます。反対に、ある州では半年もしくは1年に1回しか受けられないところもありますし、また他では15~20mile以上の違反者には受講資格が与えられないところもあります。

裁判所に行かなくてはならない
先に述べた方法が不可能な場合は、裁判所に行かなくてはなりません。出廷することは戦いの半分数人が異議申し立てをしようと出廷しただけでシステムが混雑する可能性があるので、裁判所は出廷しないで済むのを促進するために違反チケットを変更してくれるかもしれません。時には保険会社がペナルティーを科さないように、と交通違反を軽くしてくれることもあるのです。

警官が出廷しない
あなたが指定された日に出廷しても20~25%の確率でチケットを切った警官は出廷しません。警官が出廷するよう要求されていても、現れない場合はたいてい違反チケットは無効になったことを意味します。警官が現れないのは夏休みに入る夏が多いとされています。

エラーの問題
違反チケット上の名前のスペルミス、車の色が黄土色かオレンジかという逃げ口上のような小さなエラーについては裁判所はしばしば大目にみるでしょう。しかし、警官が違反チケットに間違った法律を適用していたり、道の名前や車種を間違っていたりすると違反チケットが無効になる場合もあります。多くの場合、出廷するまでミスに気づいても黙っておいて、警官が間違った情報を読み上げた後にミスを明らかにするのがいい方法でしょう。

努力すること
少なくとも罰金を減らしてもらうか、または保険料に影響が無いような違反に変えてもらうように努力すべきでしょう。

結局保険会社が知るのはあなたのレコードに載った違反であり、最初に何でつかまったかということではないのです。法廷で争うのはもちろん時間の浪費、かつ複雑なことです。もしこうしたことに費やす時間がない場合は、このようなケースによくかかわる弁護士などを雇うこともできます。費用は75ドルから750ドルで、経験によりかなり違います。どちらにしてもそれがあなたの一番最初のスピード違反チケットであっても、法廷まで行って違反が無かったことになるよう精一杯の努力をしたほうがいいいというのが、一番のアドバイスのようです。結局、次にいつまた違反チケットをきられるかわからないのですから。