自動車保険クレームについて
「クレームを出すと次回の更新時に保険料が上がる可能性はありますか?」お客様からよくある質問のひとつです。
以前は 事故が自分の非でない場合と車両保険の衝突以外のクレーム(動物にぶつかった、前の車がはねたものがぶつかった等)の場合、それが一度目のクレームであれば、「いいえ、保険料が上がる心配はありません」、と自信を持って言えました。
しかし今では、もちろん保険会社にもよりますが、保険更新料を計算する際に、過去にあった事故の詳細、例えば何時(朝?昼?夜?)、何処で(市街地?ハイウェイ?)、誰が(30歳代の独身女性?50歳代の既婚男性?)どのような事故を起こし、そのクレームにいくら使われたのかなど、細かい事実をもとに更新保険料を決めるシステムを使い始めた為に、自分の非ではない事故でさえも、下手をするとそのクレームにより更新保険料が上がる可能性が出てきてしまいました。
その為、私共では上記をふまえた上で、ご自分で最初に修理の見積もりをとっていただき、その損害額とご自分の免責額を考慮した上で、保険会社にクレームをするのかどうか決められることをお勧めしております。 但し上記にもありますように、私共ではお客様にアドバイスをすることは出来ても、そのクレームを入れた事により、次回の更新時保険料がどの程度上がるかついてはご返答できませんのでご了承ください。 下記に一般的なクレームの進み方をご案内いたしましたので参考にしてください。
相手にぶつけられた場合:相手の保険会社に直接請求
相手に車をぶつけられた事故の場合、相手の賠償責任保険に直接請求するのが米国では一般的です。以下の手順をご参照ください。*この場合お客様ご自身の保険は無関係になります。
相手の保険会社の情報が分かっている場合には、直接相手の保険会社に電話をして事故の報告をします。(相手に非があった場合、相手の運転者がすでにクレームを入れているかもしれませんが、確認が必要です。)相手の情報が分からない場合には、Police Report に必要事項が記載されていますので、それを参考にして相手の保険会社に事故の報告をします。
**警察を呼んで調書を取ってもらった場合は、事故日より数日で Police Report が出来上がりますので、指定された警察署でもらって下さい。
事故のあった日、時間、場所、相手の名前、相手の保険証番号(Policy number), 事故状況、被害の程度を説明してください。Police Report があればFax又は郵送するといいでしょう。その後はお客様と相手の保険会社とのやりとりになります。
通常保険のエージェントはクレームの処理には一切関わりませんが、私共ではサービスとして、相手の運転者の方の情報をいただければ、相手保険会社にお客様の代わりにクレームを入れさせていただきます。
過失があった事故と自損事故の場合と
相手にぶつけられたが、自分の車両保険を使う場合:
本来この車両保険は、お客様に過失があった事故と自損事故の際に使われる保険です。 従って通常ぶつけられた事故の場合、相手の賠償責任保険を使って処理をするのが一般的ですが、自分の車両保険を使って処理ができないわけではありません。次のような場合、お客様ご自身の保険をご利用になれます。
【 例 】
- 当て逃げされた場合
- 相手の保険会社と交渉したが支払いを拒まれた場合
- 相手の保険会社と直接交渉したくない場合
- 相手方への請求は、お客様のクレーム処理が終了した時点で、保険会社がおこないます。この方法を選ばれた場合は、以下の手順に従ってください。 またそのメリット、デメリットは添付をご参照下さい。
1)自分の保険会社に連絡し、クレームを入れる:
通常保険会社は事故にあった当事者と直接お話をしなければいけないので、出来ればお客様から保険会社のクレーム係りへご連絡ください。多くの保険会社が通訳のサービスを行っておりますので、必要であればそちらをご利用ください。保険会社のクレームへの連絡は私共からお送りしております事故処理の手引きをご参照ください。
2)車の修理見積書(Estimate)をとる:
クレームを入れていただいた時点でクレーム担当者とクレーム番号が分かります。通常24時間以内に保険会社より連絡があり、車の損害状況を確認するためアジャスターと呼ばれる係りの者が車を見に参ります。ただご自分の保険会社のアジャスターが出す見積もりと比較する意味で、ご自分のお好きな修理工場でお時間のあるときに修理見積もりを取得することをお勧めしております。
*アジャスターの指示を待たずに修理をはじめてしまいますと、保険で修理費をカバーできなくなる恐れがありますので、必ず保険会社からの了承を得てから修理を始めてください。
3)修理を開始する:
査定が終了した時点で、クレーム担当者より連絡をいたしますので、それから修理を開始してください。この時、最終見積もり金額から Deductible (免責額)を差引いた金額のチェックを郵送いたします。(免責額については、保険証書をご覧下さい。)*修理を開始してから、今事故に関連する部分で追加修理が必要な場所が見つかった場合は、修理工場の人からアジャスターまで直接連絡を入れてもらってください。必要にしたがって担当者が修理を許可します。
レンタカーを借りる:
レンタカー費用の補償がついている場合は、今回の事故の修理に必要な日数に限りレンタカーが借りられます。(但し事前にクレーム担当者の承認が必要)*レンタカーのカバレージをおもちでない場合は、自己負担となります。
4)病院からの請求書等を転送する:
今回の事故に関して、病院などに行って治療をなさった場合、病院、医者等から請求書が送られてきます。これらの費用は Medical Payment の上限額までカバーされますので、必要書類を担当者に渡してください。
ぶつけられた事故で相手の保険またはご自身の保険を使った場合のメリット、デメリット
相手保険会社に直接交渉する
<メリット>
- 免責額を支払う必要がない
- レンタカー費用の一部分又は全額が支払われる。
<デメリット>
- ほとんどの場合英語で交渉しなくてはならない。(通訳のサービスがない場合)
- 相手が過失を認めなければ、事故の補償がなされない。
ご自身の保険を使う場合
<メリット>
- 相手が過失を認めなくても事故の補償がなされる。
<デメリット>
- レンタカーの費用が一定額しか支払われない。(カバレージがなければ、全額自己負担になる。)
- 相手が過失を認めて全額費用を支払わない限り、負担した免責およびレンタカー費用が戻ってこない。(相手に請求した費用が戻ってくる場合でも請求後通常数ヶ月かかる。)
- 相手方に慰謝料の請求ができない。
- 保険料が上がる可能性がある。